本当の気持ちを隠して生きる。
今まで感じた事のない虚無感が
私を追いかけた。

・・・RIVIVE・・・
#2.涙

それからといっても約一週間、おとなしい、
孤独が好きな少女を演じていたら、
みんな上手く引っかかってくれた。
ある2人を除いて。
誰か話し掛けてきても、絶対に笑わないし、
あいづちもうたないのに、
あの2人だけはみんなと違った。
ただの友達ゴコロ???
それとも、
演技だって分かってるの・・・?
何を考えてるのか全然分かんない。
「由貴ーッ!!!」
教室に入ったとたんに、美佳が大声で呼んだ。
周りはうんざりしたような顔で元のざわついた雰囲気に戻る。
席につくと早速、綾と美佳が駆け寄ってきた。
「おはよう(^_^)」
「おはよ♪」
「・・・・・。」
挨拶はいつも無視。
それなのに毎日挨拶してくる。
近づいてほしくないんだってば。
美佳が普通に会話を始める。
「昨日でた数学のプリントやったー???
めっちゃむずかったんだヶど!?」
ヵナリ憤慨気味に言った。
「え?結構楽だったよ!!」
綾がきょとん顔で笑う。
ってか、私の前でそんな話しないでほしい。
私に話してるみたいじゃん。
「あのさ、此処で話さないでくんない?」
思い切り冷やかな瞳で2人を見た。
「いいじゃーん♪そんな堅い事言わないでよ、由貴〜(>人<)」
美佳が笑いながら言った。
「由貴と話したいんだよw」
綾もにこにこしながら話し掛ける。
時は止まったような気がした。
その瞬間、
私の中で何かが崩れた。

「いい加減にしてよ!!!!!!!」

教室が静まり返った。
みんな私を見て、状況を把握しようとあたふたしてた。
綾と美佳も驚いた顔で私を見つめている。
「ほっといってって言ってんじゃん!?」
荒い声で言葉を吐き捨てて、
思い切り椅子を倒して私は走った。
なんかもう自分でもコントロールつかない。
だめだ、だめだ・・・・・
どこに向かって走ってるのかも分からない。
自分の気持ちも分からない。
周りの景色がびゅんびゅん通り過ぎてく。
風が私と一緒に走った。
階段を駆け抜けて、
扉を開いた。
息切れしながら顔をあげたら、
空があった。
屋上。
なんでこんなトコに来たんだろう・・・
空がめちゃくちゃ綺麗。
屋上にでた瞬間、私の中で崩れた何かが何なのか分かった。
一気に涙が溢れる。
綺麗だったはずの空がぼやけて、
私の前をふさぐ。
思いっきり泣いた。

「・・・こんなコト・・・言いたいわけじゃないのに・・・・」

ずっと黙って、ずっと抑えて、
自分が本当にしたい事をしないで
死んでゆくのが怖かった。
そうしなきゃいけないって思ってても、
自分を隠して生きなきゃいけない事に
涙が止まらなかった。
今だけ、今だけでいいから
本当の自分を。
そう願いながらうずくまった私を
青い空だけが見ていた。